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2017年05月22日

労働生産性の罠

日本の労働生産性がG7最下位だと先週ニュースに出ていた。
日本の労働生産性が低いことはずっと言われていることで、だから生産性向上、効率化ということがスローガンのように言われ続けているのだけど、これに関してはいつも疑問だ。

そもそも労働生産性の定義が単純過ぎる。

OECDで使われている労働生産性は購買力平価でならした各国のGDPを就労人口で割ったものに過ぎない。
ということはGDPをそれほど変えずに就労人口が大きく減れば労働生産性は上がる。

これは何を意味するのか。

日本は正社員を解雇することが容易ではない。
例えある事業の採算性がなくなり事業ごと閉鎖したい場合でも、アメリカのように一律レイオフというのができない。
この部分を変えない限り、労働生産性など上がろうはずもない。

そもそも上記のような定義の労働生産性を上げる必要はあるのか、という問題もある。
容易に解雇されないなら労働者にとっては喜ばしいことかもしれなくて、例え国全体で見て労働生産性が低いと国際社会から言われたところで、労働者個人単位で見たらそんなことはどうでもよいことなのである。

一つ言えるのはこういった生産性の低さの指摘を受けて、じゃあ効率的に働こう、とするのは全くナンセンスということである。

効率的、つまり単位時間あたりの仕事量を増やしたところで、労働生産性は向上しないからだ。

効率的にGDPを増やしていこう、という議論ならまだ分かる。
本末転倒な気もするが、それをやるならGDPが増えやすい産業形態、例えば金融業、などに国全体の主体がシフトしていくくらいしかない。

製造業が多く、そしてそれら製造業がどこも青色吐息な日本がOECD定義の労働生産性が低いのは当然と言えば当然なのである。
不採算部門をヒトごと閉められないなら、必然だろう。








posted by tom at 17:36| Comment(0) | 思考 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年05月21日

仮想通貨という名称は違和感がある

仮想通貨という名称は日本では正式なものとなったが、少し違和感がある。
仮想というのがいかにも現実世界では使えない通貨のような感じがして。

実際に現実世界の通貨との兌換性を持たせないで設計されたものならば、まだ分かるが今はそうなっていないわけだし。

仮想というのは英語のvirtualを訳したものだろうが、virtualには「実質上の」という意味で使われているだろうから、完全な誤訳だ。
実態を持たないという意味でソフト通貨という名称が合っていそうだが、ハード通貨、ソフト通貨というのは伝統的に使われている用語で全く意味が異なってしまう。

難しいところだ。

posted by tom at 10:03| Comment(0) | 仮想通貨 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年05月20日

『告白』レビュー:違和感たっぷりの進行

湊かなえ原作、松たか子主演。

最愛の娘を殺された先生が、殺した犯人である生徒二人へ復讐するお話。
この手の話によくあるような偽善的な展開が一切なくてそこはとてもよいのだけれど、物語の進行に違和感がある。

松たか子演じる女教師は緻密に復讐計画を練るのだけど、いくら犯人である中学生二人を追いつめるよう計画したところで、あんな風に精神的に壊れるだろうか。

それが計画の範疇なのだとしたら随分ご都合主義だし、勝手に壊れたならお粗末な計画と言わざるを得ない。

そして表現方法がとても稚拙に感じる。

精神が壊れたら叫ぶ。みんな叫ぶ。
そして血を見たら悲鳴。
鼻血を見たくらいで悲鳴をあげる子なんているのだろうか。

最後、主犯の生徒が自らの母親を自作爆弾で吹っ飛ばしてしまったことを聞いて大声で叫び続けるのだけど、1分もしないうちに男性教師やら何やらにつまみ出されるはず。
今や部外者となった女教師の独白を皆が黙って聞いてるのも不自然すぎる。

この手の報復系の話だと、特に日本での作品の場合は復讐を結局諦めることが多くて、そんな陳腐で偽善的なストーリー展開に飽き飽きしていた多くの人には新鮮で良い展開なのに、小さな違和感の積み重ねで素直に楽しめない。

非常に残念。





posted by tom at 01:43| Comment(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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